準委任契約(委任契約)とは?請負契約との違い

ビジネスにおいて、業務を外部に依頼する際には「請負契約」や「準委任契約(委任契約)」が用いられます。特に昨今ではフリーランスとして活動する方も多く依頼件数も増加しているため、これらの契約形態の違いを理解しておくことは非常に重要です。本稿では、それぞれの契約の特徴や違い、注意点について解説します。

 

  1. 準委任契約(委任契約)とは?

委任契約とは、法律行為を処理することを委託し、受任者がこれを引き受ける契約です。弁護士や税理士に依頼する業務が典型的な例です。

一方、準委任契約は、法律行為ではない業務の遂行を委託する契約を指します。知的労働を含む業務全般、例えば、エンジニア、デザイナー、コンサルタントなどがクライアントから業務委託を受ける際、多くの場合は準委任契約が用いられます。

 

準委任契約の特徴は以下のとおりです。

  • 成果物の完成は求められない(業務遂行自体が目的)
  • 業務の進行状況に応じて報酬が支払われる(時間単位・月単位など)
  • 受任者は「善管注意義務」を負う(業務を適切に遂行する責任)
  • 原則として再委託は不可(クライアントの承諾が必要)

 

  1. 請負契約とは?

請負契約は、仕事の完成を約束し、注文者がその成果物に対して報酬を支払う契約です。代表的な例として、システム開発、建築工事、ライティングなどの制作業務があります。

請負契約の特徴は以下のとおりです。

  • 成果物の完成が必須(仕事を「完了」させる義務)
  • 仕事が完成した時点で報酬が支払われる(出来高払いも可)
  • 請負人は成果物の品質に責任を負う(契約不適合責任が適用)
  • 再委託が比較的自由(契約内容による)

 

  1. 準委任契約と請負契約の違い

 上記でお話ししたそれぞれの契約の違いを表にまとめると下記のようになります。

準委任契約 請負契約
成果物の義務 業務の遂行が目的 成果物の完成が必須
報酬の発生 作業時間・進捗に応じて支払われる 成果物が完成した時点で支払われる
責任範囲 善管注意義務(業務遂行の適正性) 契約不適合責任(成果物の品質)
再委託 原則不可(委託者の承諾が必要) 契約内容によるが可能な場合が多い

 

  1. フリーランスにおける準委任契約の活用

フリーランスの業務委託契約では、多くの場合、準委任契約が選ばれます。

その理由として、

  • 柔軟な働き方ができる(時間単位・月単位での契約が可能)
  • 成果物の完成義務がない(進行状況に応じて報酬を得られる)
  • 長期的な契約につながりやすい(定期的な業務委託がしやすい)

などが挙げられます。

ただし、契約内容によっては、求められる成果の明確化や責任の範囲が曖昧になりやすいため、

  • 業務範囲を明確にする
  • 報酬の計算方法を確認する
  • 契約書をしっかり交わす

といった対策が必要です。

 

  1. 企業側(発注側)が注意すべきポイント

企業がフリーランスに業務を依頼する際、契約形態を誤るとトラブルになることがあります。特に、

  • 準委任契約のつもりで依頼したが、成果物を求めてしまう → 本来請負契約であるべき
  • 業務範囲が不明確で追加費用が発生する → 契約時点で業務範囲を明確化
  • 業務実態が「雇用」に近い場合、偽装請負とみなされるリスク

といった点には注意が必要です。

 

  1. まとめ

準委任契約と請負契約は、それぞれ異なる特徴を持つ契約形態です。フリーランスとして契約を結ぶ際には、

  • 業務内容と責任範囲を明確にする
  • 報酬の支払い基準を確認する
  • 契約書の内容をしっかり確認する

ことが重要です。

また、発注側(企業・会社員)も適切な契約形態を理解し、業務委託の際にトラブルを防ぐための対策を講じることが求められます。双方契約締結前に、しっかりと内容を確認し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

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